「Peace」>>想田和弘監督の「観察映画」とは

サバーイさんから想田監督が撮った映画「精神」を見て深く感銘した話を聞いて
(聞いた。というより、サバーイさんの感銘を感じ取った。という方が正しいな。)
想田監督の映画を見てみたいと思った。

+++++
予備知識なく「Peace」@第七藝術劇を見る。

想田監督は自らの映画を「観察映画」と呼んでいるのだけれど
これは60年代にアメリカで始まった
撮影と同時に録音し、ナレーションを入れず事実をそのまま伝えるドキュメンタリーの
形式のひとつである「ダイレクトシネマ」の流れを汲んだ映画形式。

「Peace」は韓国の「非武装地帯ドキュメンタリー映画祭」から
「平和と共存」というテーマで撮って欲しい。との依頼を受けて撮った
監督曰く「観察映画番外編」なのだそう。

台本も脚色もナレーションもない。
判断や思考に直接作用するからなのか、音楽もない。
見て感じて欲しい。共有したい。という監督の思いが「観察映画」を撮る所以。

+++++
上映後、想田監督との質疑応答の時間があった。

介護の仕事をしている主役の夫婦は想田監督の妻のお父さんとお母さん。
「お母さんが仏壇に手を合わせているところで
「こんなとこ、映さんといてよ」と言ってはるシーンを入れたのはどうしてですか?」と質問したら
「お母さんは、本当は喜んでいるとわかったから。」と。

お母さんのお母さん(監督ご夫妻のおばあちゃん)が危篤で里帰りをしていた監督は
被爆体験者の祖母を撮ろうと思ったけれど親戚に反対されフツフツとしていた。
結局おばあちゃんは亡くなり、実家で過ごしていた時
お父さんが猫に餌をあげているのを撮ったのをきっかけに
どんどん撮っていったら自然体で映画「peace」を作ることが出来たのだそう。

+++++
日常の中の平和は、野良猫と飼い猫が交差する社会における落としどころと似ているかもしれない。

死と対峙した橋本さん(介護を受けているお年寄り)の胸にしまわれ続けていた「戦争」は
出征したものの無事に戻ってきてしまったことに対する罪悪感だったけれど
最期にそれを語ることで心の平和を得たのかもしれない。

想像を巡らせて「Peace」を味わう。

+++++
ドキュメンタリーの題材は、たいてい非日常とメッセージ。

「Peace」は流れていく日常を保存しているだけなのに
日常には時間と人と物と思いが交差する偶然があることに気付せてくれた。

映画「Peace」の中には「ありふれた奇跡」が、たっぷりどっさりあった。
「平和」とつながっていると感じる瞬間が何度もあった。

+++++
そして、ふっと・・・。
そうや!
荒木経惟さんや森山大道さんの写真ってドキュメンタリーなんや!!

+++++
in front of 「第七藝術劇場」
c0108673_09308.jpg

c0108673_074623.jpg

c0108673_08076.jpg

トラックバックURL : http://mintjam.exblog.jp/tb/16675010
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by mint_jam | 2011-08-01 23:48 | movie | Trackback

フルーツフルな日々


by mint_jam
プロフィールを見る
画像一覧