モロッコ紀行>>旅の宿・シャウエン編
2016年 03月 16日
シャウエンの宿に旅友が選んだのは地球の歩き方に「ピンクを基調にしたいい感じ」と書かれたB&B「オテル・マドリッド」(スペイン語でホテルはオテル)。
モロッコに来て、マドリッドに泊まるなんて、日本に来てホテル・ニューヨークに泊まる
ようなもんやけど、スペインに統治されていたこともある地やから良しとしよう。
レセプションは青。
階段も青。(エレベーターなし。)
朝から晩まで青い世界にいるんやから、夜くらいピンクがいいかも。と思ったのに、
通された部屋は青。
しかも、ベッドはバリ島のジェゴグ(巨大竹ガムラン=楽器)っぽいデザイン。
落ち着いて眠れそうにないしと他の部屋を見せてもらう。
が、しかし・・・。
緑に
赤。
挙げ句、ヒョウ柄。
「もうこれ以上見なくていいです。青にします、青の部屋に。」
なんやねん、このホテル、ラブ(ホテル)か? 笑
トイレに入って扉を開けようとしたら開かへん・・・。(汗)
「開けてーーーー!!」
水回り側の扉のレバーハンドルが取れていて、扉を閉めたらラッチボルト(扉の見込み
部分に付いている金属製のポッチ)が彫り込み部分に入ったら取れなくなる=扉が
開かなくなるのだ。
ひえーーーー。
いざシャワーを浴びようとしたらお湯が出ない、洗髪中にお湯がお水に変わる、ベッドの
スプリングが壊れていて眠れない・・・今まで学習を積んできたけど、閉じ込められる
なんて初めてやね。
ひとりやったらどうなっていたやろ? (怖)
彫り込み部に詰め物をして扉が閉まらない工夫をしたし
落ち着いて眠れそうにないデザインも疲れて眠れたので問題なしということに。
という訳で、宿を変わろうとも部屋を変わろうとも思わず、3泊もしたのだった。
朝食はロビーの延長にある多目的スペース?で、7時半から。
7時半に行くと、まだ用意している途中で、おかわりを取りに行くたびお皿が増えている。
インゲンか何かお豆のスープも優しい味で美味しい。
焼きたてほやほやのバゲットがめちゃ、旨で嬉しい。
オリーブの実は韓国でのキムチ同様、取り放題、食べ放題。(^^)
中東やヨーロッパのニュースをテレビで見ながら、1時間以上くつろぐ。
3月11日のフクシマの様子も映る。
遠い国で黙祷。
夕方宿に戻ると、大勢のモロッコ人に出くわす。
お祝いの会なのかな、大きなケーキ。(^^)
朝食スペースの有効活用? 時間貸し?
しばらくして様子を見に行くと、わぁ、満席。
けど、男女席を同じゅうせずで、男女が左右に分かれている。
「ここに座りなさい。」と手招きしてくれるおばちゃんに誘われ、ありがたくジュースと
お菓子をいただく。
照明器具会社のスタッフ2人の還暦定年退職送別会。
席は離れていてもみなさん陽気で和気藹々。
お酒はないけど楽しそう。
何より、定年になられた方たちを尊敬してるんやって気持ちが伝わって来て感激。
会社でもデスクは男女別々なんやろうか。
終身雇用なんやろうか。
気になるモロッコ会社事情。
女性同士、スマートフォンで写真を撮り合ってはいるけれど外国人には撮られたくない
ようなので男性だけ撮らせてもらう。
翌、夕方。
宿に戻ると大音量の音楽が流れ何人もの女性が右往左往。
今日も宴会? (苦笑)
アルコールは抜きやけど、踊って笑って180分。
女子会の弾け具合の半端ない様子が部屋まで届く。
イスラム文化圏の女性は一見男性に抑圧されているようやけど、一歩家の中に入れば
かかあ殿下の人もいる。
女子同士やとエロ話もするし、とにかく明るい。
「食べてね、飲んでね。」
今夜もご相伴にあずかる。
「国際女性ディ」(3月8日)に際しての集まりということで、社会意識が強い方たちなんや
ろうけど、お開きになるまでご陽気に騒いではった。
それにしてもこのホテル、毎夜宴会が入っているけど、どこかに「各種宴会受け付けます」
って書いてあるん?
笑。
国際ディ女子会で知り合った同じ宿に泊まっている日本人女子と、お湯事情の
情報交換。
「お湯、ちょろちょろしか出ないよね。」
「夜と朝とひとりづつ分かれて使うようにしてるねん。」
「なんかねぇ、私の部屋のシャワーヘッド、変なんですよ。あんなシャワーヘッド
見たことない。」
見せてもらうと確かに変。笑
「何泊するの?そろそろ宿代を払ってくれる?」
レセプションで3泊分を支払い市場への行き方を訊く。
ついでにフェズ行きのバスの時間を訊くと
「バスの切符を売っているトコが(ホテルの前の道を)まっすぐ行った右側にあるよ。
すぐ近くだよ。」教えてくれる。
バスステーションまで行かなくても買えるんや、ラッキー♪
地図に場所を記してもらおうとしたら、手招きされる。
どうやら連れて行ってくれるらしい。
近いし、自分たちだけで行けるからいいのに。
遠慮がちな私たちをよそに「パン屋の横だよ。」と言いながら坂を下り始める
宿のおっちゃん。
3分もたたないところで「ここだよ。」
看板が目立たず、国営バスの切符を発券してるとはわかりにくい。
しかも受付に座っている人に英語通じず。(><)
おっちゃんすかさずアラビア語で通訳をしてくれ発券完了。
「失くしたあかんで。」と、まるでおとうちゃんのよう。
ツッコミどころ満載な上、出会いあり、人情ありの思い出深い旅の宿。
オテル。マドリッドに愛を込めて。