映画「健さん」@元町映画館

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平成くんにはかもし出せないだろう、ロマンたっぷりな高倉健さんの
魅力を存分に味わえるドキュメンタリー映画「健さん」。

「漫然と生きる男ではなく、一生懸命な男を演じたい。」
「どんなに大声 を出しても、伝わらないものは伝わらない。」
「むしろ言葉が少ないから伝 わるものもある。」
健さんが演じた役の最高峰は高倉健やね。
何者も寄せ付けないような、想像通りの芸能人然に垣間見える、
寝坊魔だったり、さほど美味くないコーヒーを淹れては、共演者に
飲ませたり(まずいとは言えない)、江利チエミさんに「車と私と
どっちが大事なの?」って言われたことを嬉しそうに話すラブラブ
おのろけ大放出なお茶目な人物像も有り。
”高倉健”が完璧でなくて、ホッとしたりもしたんだけど
人情味のある、朴訥とした小田剛一(おだごういち)に戻れる
わずかな時間を愛おしんでいるのを感じる場面が散りばめられて
いたのが良かったなぁ。
御嶽を受ける姿も感動やな。

健さんの付き人を40年ほど務めた西村泰治(元・俳優)さんが
出てくるんだけど、ほんまに健さんの付き人?って思うような
めちゃくちゃベタなおっちゃんなんよね。
けど、お2人とも男気があって、めちゃくちゃ深く結びついていたようで
それは多分に、泰(ヤス)さんが健さんが剛一に戻れる目に見えない
何かを持ってはったからやと思う。

仁侠映画@東映から離れる経緯は、さらっと流していたけど
子役時代のイメージから脱却出来ない俳優が多いように
仁侠のイメージからの脱却って難しかったと思うけど、上手に路線を
変更できてよかったね。

私が初めて映画館で健さんを見たのは八甲田山やと思う。
あれって、いくつやったんかなぁ。
黄色いハンカチ、野生の証明。遥かなる山の呼び声、駅
南極物語、居酒屋兆治・・・・。
ブラックレインに、ぽっぽや。
他にも見たけど忘れてるのもあるかも。(^^;
幸せの黄色いハンカチは、日本のバグダッド・カフェだなぁ。

で、イノダには健さんの常席があったんだって。
京都のイノダと言えば高田渡さん(コーヒーブルース)だったけど
今日からはイノダと言えば健さんだー。

マーティン・スコセッシ監督やジョン・ウー監督、マイケル・ダグラスや
妹さんの貴重なコメントもあり。
エンディングで流れる 八木 のぶおさんのハモニカの息遣いが,
任侠をやめてからの健さんを現しているようで、肝(ちむ)に染む。


by mint_jam | 2016-11-01 23:25 | movie | Trackback

フルーツフルな日々。旅人だったり、レコガールだったり、オリーブ少女だったり。 美味しい食べ物と麻薬性の高い音楽にうずもれて、気持ちが動くままに写真を撮っていると幸せです。 日常や日常じゃないどこか。座右の銘は一食入魂。photo&essay:宮本ミント


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