映画「ママ、ごはんまだ?」@元町映画館

c0108673_20473498.jpg

台湾人の父、顔恵民(がんけいみん)さんと日本人の母、一青かづ枝さんの間に
生まれた姉妹・妙と窈一家の、”日本人のおかあさんが作る台湾料理”を
通しての家族の物語。
”一青”姓は台湾名だと思い込んでいたら、お母さん(出身の石川県中能登には
一青という地名もある)の姓だったのね。

ホテルに勤務していた日本人のかず枝は、台湾5大財閥の子息台湾人に
見初められ、台湾に渡るが、言葉もしきたりもわからず、親戚の中でひとり取り残される。
それでも屈せず周囲に溶け込もうと、言葉の壁、文化の壁を払拭するために、
台湾料理を学ぶ姿が健気で愛おしい。
残したレシピこそ、娘・妙と窈の人生の指針やね。
お弁当も含めて、妙にとって料理は母そのもの。

豚足の煮込み。
大根餅。
ちまき。
辻調監修による台南の手の込んだ美味しそうな家庭料理のオンパレードを
目で追いながら、舌鼓を打つ。
「食べたい〜。」

しかし何より、この映画で最も気持ちを持っていかれたのは、台湾人(と言っても
精神は日本人)の父の、誰にも推し量れない、アイデンティティへの苦悩と葛藤。
寄り添えるものと、寄り添いたくても寄り添えないものの間で揺れる、自分の思いだけでは
どうにもすることが出来ない感情が画面いっぱいに広がる。

「俺は日本人だ!!!」
父の叫びが弧を描く。
日本の台湾植民地支配。
日本語。
教育。
財閥。
親類縁者。
日本人として育ち、日本人であることに誇りを持っていたからこそ
統治が終わったからと台湾人に戻され、親戚の中で孤立し、自分では
どうしようもない戸惑いと苛立ちが精神を蝕んでいったのだと思う。

白羽弥仁監督による舞台挨拶。
映画に出てくる料理にまつわる苦労裏話が嬉しい。
c0108673_0431014.jpg


@民生広東料理店。
ママ、ごはんまだ? 豪華タイアップメニュー。
公開初日に行ったら「今日はまだこのメニュー、やってないんです。」
映画館と民生との行き違いだったようで出直そうとすると「せっかく来て
いただいたので作ります。」と。
あとからあとから映画を見たお客さんがパイクー目当てに来られ
みなさんに対応してはりました。
ママが作る”妙さんのお弁当”として映画に出てくる「パイクー(排骨=スペアリブ)丼」。
日本風にアレンジされていたけど、美味しかったよ。
c0108673_0435054.jpg


プレゼントのミニ杏仁豆腐。
c0108673_0435964.jpg


台湾は一度だけ一周+奥地を旅したことがある。
植民地にしていた日本を嫌っていると思い込んでいたら、なんのその。
ご年配の方は、随分長く使う機会がなく片言になっている美しい日本語で
話しかけてくださり、中には日本への感謝を述べられる方もおられた。
電車旅で食べた、簡素な、けれど美味しいパイクー駅弁を思い出す。
日本の震災時は、いち早く支援をしてくれた台湾には、感謝、感謝。

予告編には東京、石川、台湾・台南市というさまざまなロケーションが登場。
在りし日の母が台所に立つ姿や台湾料理の数々、そして現在の姉妹の姿が映し出される。



トラックバックURL : http://mintjam.exblog.jp/tb/26655217
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by mint_jam | 2017-05-11 23:46 | movie | Trackback

フルーツフルな日々


by mint_jam
プロフィールを見る
画像一覧