月森

扉の横の低い位置に「月森」と書かれたまぁるい看板。

扉を開けると、さほど広くない四角い店内にはバイエルが流れ
窓際の席には制服を着た小学生の男の子が
ランドセルを横のイスに置いて静かに座っていた。

店の奥見えるセミオープンのキッチンや
店主の凛とした髪型が「かもめ食堂」のイメージと重なる。

席に着き、メニューと男の子を変わりばんこに眺めた。

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20分ほどして運ばれてきたコーヒーとドーナツとホットケーキ。

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初めて見る分厚さのホットケーキに、たっぷりとメープルシロップをかける。
外はしっかりと焼けていて中はしっとりとふんわりのバランスが絶妙。
バターとシロップを絡めて口の中に入れた瞬間
じわぁ~っと幸せな気持ちが膨らんでくる。

男の子のお母さんがやってきた。
先に男の子が注文していたお母さんのコーヒーが運ばれてきて
数分の間、2人は静かに言葉を交わし塾に向かう男の子だけが店を出た。
飲みかけのコーヒーをソーサーに戻し、窓越しに小さく手を振るお母さん。

まるで映画の撮影現場にいるような光景だった。
by mint_jam | 2007-10-23 22:17 | f&b | Trackback

フルーツフルな日々。旅人だったり、レコガールだったり、オリーブ少女だったり。 美味しい食べ物と麻薬性の高い音楽にうずもれて、気持ちが動くままに写真を撮っていると幸せです。 日常や日常じゃないどこか。座右の銘は一食入魂。photo&essay:宮本ミント


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