今夜も星の下で:movie
2024-01-29T11:04:28+09:00
mint_jam
フルーツフルな日々。旅人だったり、レコガールだったり、オリーブ少女だったり。 美味しい食べ物と麻薬性の高い音楽にうずもれて、気持ちが動くままに写真を撮っていると幸せです。 日常や日常じゃないどこか。座右の銘は一食入魂。photo&essay:宮本ミント
Excite Blog
映画「オールド・ジョイ」@元町映画館
http://mintjam.exblog.jp/33236061/
2024-01-27T22:50:00+09:00
2024-01-29T11:04:28+09:00
2024-01-27T22:40:31+09:00
mint_jam
movie
友だちって何なんやろ。
恋人や配偶者と何が違うのかな。
友だちだった人が結婚することで環境が変わり、疎遠になっていく。
寂しいけれど、自分は友だちと同じようには生きられない。
カートがマークを誘ったのは、その事実を確認するためだったのだろうか。
元町映画館で見つけた「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」と題したミニシアター系特集上映のちらしがめちゃくちゃ好みで、ケリー・ライカートって俳優?監督?と予備知識ゼロで1本。
「オールド・ジョイ」「リバー・オブ・グラス」「ウェンディ&ルーシー」「ミークス・カットオフ」、4本のうち時間の都合で見たのが「オールド・ジョイ」。
きっと一時期は一緒にいる時間がたっぷりあったのだろうと思き30代前半くらいの男性2人のロードムービー。
住所不定っぽいカートが「最近どうしてんの?温泉に一緒に行こう。以前行ったことがあるええ温泉やねん。」と結婚してもうすぐ子供が生まれる予定のマークを誘う。
道に迷って夜はキャンプ。
ダイナーで朝食を食べてまた走る。
温泉に入ってそれぞれの居場所に戻る。
というそれだけの映画なんやけど、じわぁ〜っと滲む説明のつかない”何か”がたまらない。
マーク「2スクランブルエッグス ドライトースト アンドソーセージ」
カート「友だちと一緒で。けどソーセージじゃなくベーコンとノードライトーストで」
って言うのよね。
それからカートが温泉に入っているマークの肩をマッサージするシーンがあるんだけど、このとき殺される?と思ってすごく緊張した。
好きなシーンはガソリンスタンドの雑貨屋で買った色違いのクージーを投げ合うシーン。
道の脇の山や森の緑。
マークの犬、ルーシー。(監督の飼い犬)
ポートランドの潤った湿度。
自由主義をうたう政治ラジオ番組。
カート「マーク寂しいよ 君がとても恋しい 君と友達でいたいのに何か壁がある」
マーク「僕らは友達だ 何も問題ない」
サウンドトラック
Yo La Tengo - Old Joy OST - Leaving Home
日本限定! 特集上映「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」三宅唱=大川景子編集・スペシャル予告編]]>
映画「スモーク」@元町映画館
http://mintjam.exblog.jp/33204224/
2023-12-27T23:58:00+09:00
2023-12-28T12:58:09+09:00
2023-12-28T00:21:02+09:00
mint_jam
movie
スモークをクリスマスにカケる元町映画館のセンスの良さったら。
タバコの煙が心に染みる。
タバコの煙の匂いは苦手やけど、久しぶりに見たら やっぱり好みの映画やった。
地上を走る地下鉄とワールドトレードセンター。
フツーの都会人が暮らす20世紀のブルックリン。
店主:オーギー・レン(ハーヴェイ・カイテル)と店の常連でスランプ中の小説家:ポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)、2人の日常に差し込まれる小さな非日常。
オーギーが店の前のクロスロード(朝8時の7番街と3丁目の角)で撮り続けた写真4000枚の中に、ポールの事件に巻き込まれて亡くなった妊婦だった妻が写っていた。
番号で注文するんじゃない、銘柄を伝えて買うタバコの買い方。
謎の置物がある店の設え。
POSじゃない、現金取引のレジ。
チェーンコンビニエンスストアじゃない、葉巻も置いている日用品雑貨屋。
ポールが知り合った男の子、オーギーの元彼女・・・。
2人が言う話の信憑性の謎。
誰かを傷つけたり、法を犯した人がどこを切り取っても悪人ということはない。
善人と思われている人がどこを切り取っても善人ではないように。
嘘と真実と嘘。
嘘とわかっていてもその嘘にのっかってみるという選択。
虚構は本当に嘘なのか。
ラスト20分で伏線回収する「オーギー・レンのクリスマス ストーリー」。
すべての小説は嘘の話だ。
そうわかっていても、いい話。
私の記憶の中で、1990年のクリスマスの日、NYタイムズに載ったということになってしまう。
Innocent When You Dream
トム・ウエイツ節(シワ枯れ声と歌い方やノリ)がエンディングに乗せられていて気分極上。
豊田商事の事件でご年配の被害者が「騙されているとわかっていたけど、私を大切にして話を聞いてくれたから嬉しかった。」みたいなことを言ってはったのを思い出す。
冒頭、常連客相手にオーギーがタバコの煙の重さの話(魂を計れるなど)でケムに巻くシーンは何か意味があったのかな。
2人で定点写真を見てあれこれ感想を言うシーンがいいな。
窓の写り込みがあるってことはオーギーは店の中から撮っていたのかな。
オーギーの店の店名って何なんやろ。
ポールが使っているカメラ「Canon AE-1」
Canonのフォントが可愛い。
+++++
キャノンHPより
発売年月 1976年(昭和51年)4月
発売時価格 81,000円(FD50mm F1.4SSC付き)、4,000円(ケース)
1976年4月、後に世界規模で大ヒットしたAE-1が、多くの期待を担いつつ発売された。
その頃の35mm一眼レフ市場は、キヤノンのFTb、FTb-Nを含むTTLマニュアル測光機が主流を占めており、AE機能の一眼レフカメラは最高級システム一眼レフカメラとの狭間にあって、生産量も少なく高価格帯機種との位置づけにあった。
AE-1は、設計の根本から見直し、5大ユニットと25の小ユニットに分け、それをマイクロコンピュータが中央集中制御する方式を採用。電子化により部品点数を従来機種より300点も減らした。また、生産にも自動化を大幅に取り入れ、高機能、低価格を実現した。「連写一眼」のキャッチフレーズで一世を風靡した。
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キャロル・キング フィルムコンサート 映画「ホーム・アゲイン:ライヴ・フロム・セントラル・パーク 1973」@シネリーブル梅田
http://mintjam.exblog.jp/33144732/
2023-11-08T23:05:00+09:00
2023-11-08T23:50:54+09:00
2023-11-08T18:59:38+09:00
mint_jam
movie
1973年 セントラルパーク@ニューヨーク で行われたキャロル・キングのフィルムコンサート。
プロデューサーのルー・アドラーが16ミリフィルム&マルチカメラで撮影した貴重なコンサートの模様と関係者へのインタビュー。
大好きなキャロル・キングの50年間未発表だった映像を映画館のスクリーンで見る幸せ。
1973年5月26日。
会場は、ニューヨークのセントラル・パーク内にあるザ・グレイト・ローン(ローンはlawn 芝生ね)。
1970年代前半当時、ロサンゼルスのカウンターカルチャーの拠点であり、ウエストコースト・サウンドの聖地やったローレル・キャニオンに住み、子供との時間を優先したくてツアーに出ることを避けていたキャロルが故郷のニューヨークでコンサートをしようと思ったのは、「つづれおり」のヒットによるファンへの感謝の気持ちを現したかったから。そしてデヴィッド・T・ウォーカー(ギター)、ハーヴィー・メイソン(ドラムス)、トム・スコット(サックス)、公私のパートナーだったチャールズ・ラーキー(ベース)といったレコーディングメンバーとステージで演奏できることになったから。だという。
1部はピアノの弾き語りで「つづれおり」の世界観、2部は発売間近の「ファンタジー」をレコーディングメンバーバンドでお楽しみ。
設営されたタワーによじ登るファンがいて、途中でコンサートが中止になるかも?やったけど(ほんま、危ないと思った)最後まで演奏できてよかった。
ステージから観客にニューヨークのどこから来たかを訊くとき、「スタテンアイランドから」もちゃんと訊いてあげていたり、遠くの客席から花束を渡そうするファンを見つけて「花束を回して私に届けて」と言うたりしていて、優しいな、キャロルと思った。
最後の曲は、〜You've Got a Friend〜
「ジェームス・テイラーに捧ぐ。」ってコメントが入っていたけど、Fire and Rainへの返歌やね。
コンサートはもちろんのこと、当時の若いニューヨーカーが楽しんでいる様子が一緒に見られてとっても楽しい1時間半やった。
・雨の予報だったけどお天気は大丈夫だったからキャロル・キングは晴れ女やね。
・ジャック・ニコルソンや、ご近所さんのジョニ・ミッチェルの姿も映っていた。
・Will You Love Me TomorrowとNatural Womanが入っていなかったのはなんでやろ。
・Corazonの歌詞が yo te guiero mi corazon 🎵ってスペイン語なんだけど、何回聞いても「寄ってけろ」に聞こえて笑ってしまった。
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映画「福田村事件」@第七藝術劇場
http://mintjam.exblog.jp/33139612/
2023-11-02T23:30:00+09:00
2023-11-25T23:14:37+09:00
2023-11-02T16:29:15+09:00
mint_jam
movie
1年後、福田村事件は公開された。インディペンデント映画やから上映期間は短いかもと思いながらも地震のシーンが見たくなくて先延ばしにしていた。2ヶ月で約200館、延べ約20万人の方が映画を見たという。映画の動員数増に比例してネット上で湧き起こる賛否評を目にするたび、私なら評の焦点になっている部分をどう感じるやろう?という思いが膨らんでいった。
思ったこと・感じたこと⚫️「朝鮮人やったら殺してもええんか!」 流言蜚語(デマ)に煽られ村人たちが遂行した集団虐殺について・香川から来た日本人の行商薬売りが朝鮮人と思い込まれ、福田村の村人たちに集団虐殺される場面での「朝鮮人やったら殺してもええんか!」は、この映画の象徴的セリフだし、多くの含みを持ったセリフやと思う。・行商人たちはハンセン病の人たちを煽って、騙して薬を売っている。この商法は薬売りのマニュアルであり、売れたことを喜んで笑って、自分たちより貧しい人に施すことで心の均衡を保っている。人権より商売を優先する彼らもまた、自分たちより身分が低いと思っている人たちを攻撃し、差別しているのではないか。・村人の鬼畜行為には地震による精神への影響があったと思う。これは体験したひとならわかると思うけど大きな地震のあと冷静ではいられない。村が襲われる恐怖や村八分になる不安、村人の付和は理解できる。(村人の行為を肯定しているのではない) ・自分より下と思う人たちを作り出し、見下すことで自分の誇りを保とうとするの心の有りようが浮き彫りになる村人を見て、正論が薄っぺらなものに感じてしまう。・大正時代なので村人が正確な情報を得ることは難しかったと思う。薬売りが持っている行商用鑑札が本物かどうか(本物であれば日本人と証明される)を確認しようとする村人がいる中、結果を待たずに手を出すひとりの村人。堰を切ったように始まる暴動。どうして結果を待てなかったのか、待てていたら惨事に至らなかったのに。もし結果を待っていたら日本人だとわかったのだから殺さずに済んだ。だけど・・・朝鮮人なら殺してもよいのか。・インターネット社会になった今でも私たちはデマによって心理を煽られている。これは日本だけの話ではない。どの国だって国民に本当の情報ばかりを流してはいないし、新聞やTVで言うていたというだけでその情報を信じる民はいる。・福田村事件は現在完了進行形。100年前に起きた事件を題材に、現在の社会をあぶり出している。走り出したら止まらない、集団の、組織の、世間の「みんなやってるし思考」の恐ろしさは今も変わっていない。ひとりじゃできないひどいことでも、みんなとならできてしまう恐ろしさを伝えていると思った。本当の恐ろしさはここにあると思った。・そして豊田勇造さんの唄のタイトル「殺そうと思うだけでよかったのに」が頭の中をぐるぐる回る。
⚫️史実に忠実でない旨の断りテロップがない。忠実でないのに「福田村事件」というタイトルはおかしい。という意見について・それだけ映画に関心が集まっているということやし、見る人が増え、事件について考えるきっかけになるのでそういう意見があっても良いと思う。・映画はドキュメンタリーであっても、監督は自分の意思を乗せて作っている。ましてや劇映画はエンタメなのだから社会派映画であっても脚本が脚色であることを私は否定しない。・予告編では「実話に基づいた」とあるのに本編に入れなかった理由を森監督に伺ってみたい。劇映画はエンターテイメントや。見たらわかるやろ?ということなんやろうか。
⚫️人の名前について・亡くなったのは9人ではなく赤ちゃん(胎児)を入れた10人と訂正して、生き残った行商人が亡くなったひとりひとりの名前を言っていく場面。お母さんのお腹の中で生きていた赤ちゃんの名前を呼ぶところで涙が溢れてきた。・名前ってとっても大切なもの。名前って命につけられたものなんや。と強く思った。私のことをミントって呼んでくれる人たちにありがとうって思った。
⚫️手足を縛られた行商人たちが淡々と水平社宣言を誦(そらん)じる場面について・自分たちが殺されても宣言はこの先も生き続ける。差別に負けない。という思いが伝わってきた。
⚫️伏線と回収について・水平社宣言が入ったお守りと朝鮮人飴売りの扇子のエピソードは、伏線と回収が効いていてドラマとしてよかった。
・薬売りとして行商に出る男の子に恋人がお守りを渡す場面では「本当に命を守ってくれたらいいな」と思い、薬売りの親方が朝鮮人の飴売りから感謝の印に朝鮮の扇子を受け取った場面では「あぁ、これ、もらったらえらいことになるんやろうな。」と思いながら見ていた。・薬売りの仲間に妊婦がいて、もうすぐ生まれてくる赤ちゃんに名前を付けて、それをみんなで喜ぶ場面はとってもやわらかい気持ちになった。だからこそ、妊婦が殺された(赤ちゃんも亡くなった)あと、生き残った仲間が赤ちゃんの名前を呼ぶ場面はとても胸が痛かった。
⚫️千葉日日新聞について・新聞社の部長だって本当は事実を書きたいと思っていたと思う。けれど国や集団からの圧力を恐れ女性記者の意向を却下する。・マスコミはインターネット時代になっても世間の思考を操っている。千葉日日のようなやりとりは現在のマスコミ業界にもあると思う。そして私たちの多くは彼らから受け取った情報を信じている。何が正しいのかはネット時代でもわからないことがいっぱいある。
⚫️性的表現についてあの場面は気分が悪い。必要ない。大正時代にあんな女性はいない。という意見を多く見かけたので、いつ出てくるのかと見ていたら終ぞ出て来ず。で、振り返って、あのシーンのことやったんかと。クスっとした。映画は村人視点で描いているから、村人の日常エピソードとして入れたのかな。
⚫️ロケ地について
最初と最後に出てくる川と橋 事件が起きる神社 は行ってみたくなるような魅力的なところやった。
上映後、ミニライブ&トークショー。
第七藝術劇場のHPには「登壇者:中川五郎さん(ミュージシャン) 趙博さん(本作出演) 川本三吉さん(本作出演)」とあったけど、制作スタッフの赤松亮さん、エキストラで出演された岸和田市議 たかひら正明さんも登壇され制作裏話。映画「福田村事件」は、森達也監督が福田村事件について書く →それを読んだ中川五郎さんが歌詞を書いて歌う →五郎さんの歌を聞いた脚本家の荒井晴彦さんが映画化を決意→森さんに監督を依頼する という流れで作られたことを知る。続いて、趙博(パギやん)さん、中川五郎さんによる唄と演奏。
パギやんは 中山ラビさんの13円50銭、五郎さんは 1923年福田村の虐殺。1923年福田村の虐殺 を聞き入る。The Lakes of Pontchartrain(アメリカンバラッド)をベースにした曲に史実淡々な歌詞をのせた楽曲が、ウディ・ガスリーを思い出させる。ナナゲイ支配人が急遽お休みされ、進行が若いスタッフくんだったので鋭いインタビューがない、ええ感じにゆるいトークショーやった。
五郎さんの唄 YouTube↓はこちら『1923年福田村の虐殺』中川五郎@caféじみへん2023.9.12
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映画「TOVE」@シネリーブル神戸
http://mintjam.exblog.jp/33086823/
2023-09-03T23:20:00+09:00
2023-09-03T14:40:57+09:00
2023-09-03T13:10:47+09:00
mint_jam
movie
第2次世界大戦から戦後にかけてのヘルシンキの街並み。
窓ガラスが割れ、暖房も照明も壊れた高い天井のアトリエに渦巻く自身の芸術表現への思い。
女性(ヴィヴィカ)を好きになってしまったと恋人(アトス)に自分の気持ちを伝える潔さ。
トーベが身につけている衣服やアトリエの設え。
北欧の柔らかな光。
踊るトーベ。
揺れるフレアスカート。
「ムーミン」の原作者トーベ・ヤンソンの画家としての挫折、彫刻家として名のある父との葛藤、既婚者で政治家のアトス・ヴィルタネンとの恋愛中、名士の娘で舞台監督のヴィヴィカ・バンドラーと恋に落ちる。
トーベは同性愛者というより、たまたま好きになった人が同性だっただけのような気がする。
性別にこだわらない自由な人だったんじゃないか、だからこそ、ムーミン谷のような空想の村での住人たちが着想できたのだと思う。
ヴィヴィカに失恋し、傷心のままアトスと結婚するがヴィヴィカへの想いを忘れることができず、アトスとは別れてしまう。
そんなアトスとヴィヴィカとも友人関係を続け、生涯のパートナー(トゥーリッキ・ピエティラ)と出会ったところで物語は終わる。
トーベ・ヤンソンが幸せな気持ちで暮らし、旅をし、作品を生み出せる環境を得ることができてよかった。
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西野由美+はちどりphoto exhibition「instinct」@birdie photo gallery
http://mintjam.exblog.jp/32999409/
2023-06-12T21:33:00+09:00
2023-06-13T21:53:05+09:00
2023-06-13T21:33:53+09:00
mint_jam
movie
ギャラリーに入ってすぐの壁に1枚単独で飾られていた写真に惹かれた。
水のある風景や被写体との距離感が西野さんらしい。
ほんの少し斜めになっているのを修正していないのは西野さんが西野さんのinstinctに従って撮ったからだろう。
それがとても気持ちよく、しばらく写真を見つめていた。
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映画「イニシェリン島の精霊」@TOHO梅田
http://mintjam.exblog.jp/32881855/
2023-01-27T14:26:00+09:00
2023-02-04T09:11:03+09:00
2023-01-29T14:26:07+09:00
mint_jam
movie
1923年 アイルランド内戦を時代背景に人の死を予言するアイルランドの精霊:バンシーをモチーフに描いたドラマ。舞台はアイルランドにあるイニシェリン島 (島の名前は架空だけどアラン諸島の島と思われる。 Dr.コトーの志木名島みたいな感じ)。
冒頭、ミュージシャンのコルム(グレンダン・グリーソン)は歳下の気のいい友だち パードリック(コリン・ファレル)にある日突然「お前に怒っているのではない。無駄な時間を過ごしたくないだけだ。俺に話しかけるな。お前が嫌いになった。話しかけたら指を切断する。」と一方的に絶交宣言をする。
しかしパードリックはコルムの申し出を真に受けず話しかけたものだからコルムは指を切断→パードリックのドンキーがコルムの指を喉に詰まらせて死亡→復讐のためパードリックはコルムの家屋に火を放つ。コルム「パードリック、これであいこだよな?」パードリック「あいこではない。どちらかが死ぬまで終わりはない。」お互いに振り上げた拳を下ろさない限りばかげた争い内戦(友人同士の諍い)は収束しない。ということの比喩なのか。
パードリックは死んだあと誰が自分のことを思い出してくれるのだろうという疑念や恐怖に怯えているような場面もあったけど、それでこんな展開になる?なぜコルムはパードリックと絶交したのか、わからないままエンドロールが流れた。
コルムの言動は狂気的で意味不明。アイルランド(英国)の歴史を知らない人もこの映画を見るんやからコルムを理解できるようなヒントを盛り込んでよ。平日の午後にまぁまぁお客さん入っているのも謎。などと思いながらも途中で席を立とうとは思わなかった。それくらい景色と登場人物の佇まいが良かったのよ。島の人たち、音楽(リール)のセッション、ダンス、パブ、石垣、樹のない荒涼とした石まみれの地、黒ビール、曇り空、衣服(アランセーターの紋様や女性のドレスなど)・・・。特にパブでのセッションはアイルランドの真骨頂だからね。スクリーンに映し出される風景はアランの魅力に溢れ、まさにイニシェリン島の風に吹かれているかのようだった。
「物語に入り込めない(私には致命的)のに、じわじわと心を掻き乱される映画」やった。副題がないのも良い。賢い妹シボーン(パードリックの妹)と亡くなったドンキー(パードリックとは家族同然)の存在価値もめちゃくちゃツボやった。
監督:「スリー・ビルボード」(この映画は理解できたし好き♪)のマーティン・マクドナー追記町山智浩さんの「コルムはパードリックに恋愛感情を持っていた」説を聞いて腑に落ちた。狭いカトリックの誰もが顔見知りの小さな島でゲイだと思われたら暮らしていけない。だからパードリックが自分の気持ちに気付いていないうちに自分パードリックに"別れ"を告げたんや。
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アランに行った時のこと。この時私は「アイルランド人は妖精の存在を信じている」と書いている。
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映画「月の満ち欠け」@キノシネマ神戸国際
http://mintjam.exblog.jp/32862545/
2023-01-04T23:23:00+09:00
2023-10-25T00:04:17+09:00
2023-01-07T14:23:38+09:00
mint_jam
movie
嘘でしょ?
けどもし事実じゃなくても信じたい。
信じるしか選択肢、ないよね。
現在は過去と未来の通過点。
「瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る」
瑠璃=青い宝玉 玻璃=水晶
才能のある人は機会(光を与えられたら)があれば活躍するし目立つ。
廣木隆一監督。
直木賞 佐藤正午著「月の満ち欠け」映画化。
ファンタジーは入り込めないと悲しいほどのアウェイ感に心が持っていかれる。
月の満ち欠けもその予感があったけれど最後の最後、小山内(大泉洋さん)の亡き配偶者 小山内梢(柴咲コウさん)の「シー」で体温より高い温度の涙が溢れた。
「早稲田松竹」の外観に心惹かれる。
高田馬場駅に降り立ちたい。
そんな映画。
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映画「土を喰らう十二ヵ月」@kino cinéma神戸国際
http://mintjam.exblog.jp/32836089/
2022-12-01T22:23:00+09:00
2022-12-09T00:00:04+09:00
2022-12-08T22:23:11+09:00
mint_jam
movie
水上勉 著「土を喰う日々―わが精進十二ヵ月―」をベースに中江裕司監督が脚本を手がけた映画「土を喰らう十二ヵ月」。
山、池、川、太陽と月の光。
季節が移るごとに見せてくれる里山の風景と子供と言ってもいいくらい年下の恋人 真知子(松たか子さん)との穏やかで愉快な食事風景。
土は地球の大地。
お米や発酵食品(糠やお味噌など)、土と水の栄養をたっぷり含んだ野菜、そしてお茶・・・ときどきお酒。
生きるために必要な食事との向き合い方について、人との関わり合い方について、人が死ぬということについてじわぁっと胸の奥に炎が灯る。
日常は小さな出来事の積み重ね。
「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は四季が立ち、「夏至」「冬至」は夏と冬が至り、「春分」と「秋分」は春と秋を分けるのか。
などと思いながら二十四節気の漢字が現れるのを眺める。
人との関係は相性。
主人公ツトム(沢田研二さん)の妻の母は実の息子と折り合いが悪い。
確かにツトムの義母 チエ(奈良岡朋子さん)はつっけんどんな印象を持たれそうな方ではある。
けれどチエのお葬式には想像以上にチエを慕う参列者が弔問に訪れたし、ツトムさんは妻亡き後も良好な関係を保っていて、義弟夫婦に懇願されたとはいえ自宅でお葬式を行うことになり、通夜振る舞い(料理)まで取り仕切る。
炊き立てのご飯とお味噌汁とお漬物、そして一菜。
究極の献立は穴が空いた心をも満たしてくれる。
※
ツトムさんの妻の遺影が作家の故 山本文緒さんに似ているんだけど、そんなわけはないよね。
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映画「犬も食わねどチャーリーは笑う」@TOHO 梅田
http://mintjam.exblog.jp/32788123/
2022-10-06T21:32:00+09:00
2022-10-23T19:20:03+09:00
2022-10-18T21:42:29+09:00
mint_jam
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旦那デスノート!
いやーーー、なんと言えばいいのでしょう。いや、何も言わなくていいでしょ、ね。
けど言いたいことがあるのよね。
ある日ある時出会った市井早苗さん、「私、文章を書いているです。夫と映画を作っているんです。」
「ええーーーっ、私、台風家族見たよ。」
犬も食わねどチャーリーは笑う・・・関西人ならではの表現=短縮するなら「犬チャリ」
サナさんが大きく関わっている作品を見ないなんて選択肢はございません。
早々購入していたムビチケを持って、ようやく映画館で。
NSC生の経験アリの市井昌秀監督のコメディーセンスと市井早苗さんさんが学ばれたNVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)のエッセンスが相まったファンタジー&コントの要素があるエンターテイメント映画。
笑(わろ)て泣いてまた笑(わろ)て。
「旦那デスノート」を題材にした、旦那にとってこわーーいコメディ。
映画「老後の資金がありません!」に相通じる泣き笑い。
子供の頃に見ていた藤山寛美さん主演の松竹新喜劇から湿度を除去したような憂いがたまらない。
「ただ一緒になげいてほしかったんだよ。」
妻役(役名=日和=ひより)岸井ゆきのさんのセリフに涙が溢れて止まらない。
わかる、わかるわーーー。
夫に告ぐ。
分析するんやめてーーー。
正しいかどーか知らんけど、正しかったらええんか。気持ちやん、心の機微やん、親密な間柄ってそこなんちゃうん?そーちゃうん?。
人と人とのホンマのコミュニケーションはそこやん。
傷付くきっかけなんて些細なコトが発端だもの。
日和(ひより)が今まで生きてきて一番どうしようもない気持ちになったのは流産だったんだよね。
わかる、わかるわーーー。
夫には、ただただ寄り添って欲しかっただけやんね。
追記
岸井ゆきのさん・・・スクリーンを見ている間ずっと、ぼる塾のきりやはるかさんが別名で出演していると思っていた。(><)
サナさん、最後のシーンでエキストラとして出ていたよね。
「市井点線」=市井夫妻ユニット名での活動はこの先もずっと見つめていたい。
サナさんと出会えてよかった。
香取慎吾と市井昌秀監督の奇跡的再会とは?『犬も食わねどチャーリーは笑う』 独特テンポで“ダメ男”好演【インタビュー前編】
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ありがとう「テアトル梅田」@梅田ロフト・・・その2
http://mintjam.exblog.jp/32771916/
2022-10-02T23:03:00+09:00
2022-10-02T00:12:56+09:00
2022-10-01T23:03:01+09:00
mint_jam
movie
王家衛(ウォン・カーウァイ)監督作品「花様年華」は、ココで見た。貼り出されたチラシを見ながら、これは見た、これは知らん。を繰り返す。シネ・リーブル神戸で見ることが多いけれど映画館の好みで言えば、断然テアトル梅田なのよねー。
大きい方と小さい方。2つのスクリーンに像が舞う。
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ありがとう「テアトル梅田」@梅田ロフト・・・その1
http://mintjam.exblog.jp/32771877/
2022-10-01T22:24:00+09:00
2022-10-04T22:35:43+09:00
2022-10-01T22:24:58+09:00
mint_jam
movie
へーーー、ほーーー。
西武のやることはなんでもとんがっていて、渋谷や池袋のあれもこれもカッコよく見えた32年前。
コマゴールドやコマシルバーを引き継いでいるような映画館「テアトル梅田」で私はいくつもの映画を見た。
その中でも印象に残っているのは音楽Bar「ヒポポタマス」のたくさんの常連たちと見に行った「タカダワタル的」。
ヒポポと出会っていなかったらミュージシャン:高田渡さんのホンマの凄さに気付いていなかったと思う。
そんなこんなで「アメリ」以上に思い出深い。
テアトル梅田で映画を見た経験がある人はきっと誰だって思い出の1本があるはず。
映画は映画館で見る。という文化がどうかこれからも存続しますように。
この絵のほんまもんがコレ。
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ドキュメンタリー映画「銀鏡 SHIROMI」@元町映画館
http://mintjam.exblog.jp/32756612/
2022-09-12T22:53:00+09:00
2022-09-20T23:53:26+09:00
2022-09-15T22:58:57+09:00
mint_jam
movie
宮崎県西都市銀鏡にある銀鏡神社、神社を中心とする集落に暮らす人々、神社に奉納される夜神楽のドキュメンタリー映画「銀鏡 SHIROMI」を元町映画館でようやく。
その由来は500年以上前に遡るが、おそらく、いにしえより舞い継がれてきた神楽に、南北朝時代以降の熊野修験や、九州統一に力を注いでいた豪族の菊池氏の入山により、都や宮中で舞われていた舞を取り入れて発展してきたものと考えられている。
監督は赤阪友昭さん。
雑誌Switch代表 新井敏紀さんから紹介を受け、写真ギャラリー「photo gallery Sai」を営まれていることを知る。職場に近かったので会期中はお昼休みに訪れることもあった。
「命を継ぐこと」を写真で表現されている赤阪さんは縁あって銀鏡の神楽を知り、足繁く通っている間に「これは写真ではなく映像で表現したい。」と思われたのだという。
日本国の中にこういった神楽があるんやね。動きや演奏、そこに込められた意味を伝え、身につけ、神楽を守り続ける集落の人々(みなさんとっても魅力的)が等身大で描かれている。撮影中に起きた大きな悲しみが物語を作ってくれていること、音楽や語りで観る人の気持ちを誘導することがないことが、映画の見心地を良くしてくれた。
縄文時代に思いを馳せ、大和の智を知り、銀鏡に暮らす方々の星への祈りに追随する、そんな映画。
銀鏡(地名)は、「磐長姫(いわながひめ)」が放り投げた鏡が大木に引っかかり昼夜を問わず照らした故事に由来する。
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映画「プアン/友だちと呼ばせて」@シネリーブル神戸
http://mintjam.exblog.jp/32717332/
2022-08-08T23:34:00+09:00
2022-08-26T22:37:59+09:00
2022-08-25T23:43:32+09:00
mint_jam
movie
バンコクで暮らしているウードは、かつてニューヨークで暮らしていた頃 親しく付き合っていた友だち ボスに連絡を取り余命宣告された(白血病)ことを告げ、残された時間に一緒にやって欲しいことがあると願い出る。
それは病気のことを伏せて、かつて恋人(複数いる)だった女性を訪ねることだった。
+++感想メモ+++
製作総指揮がウォン・カーウァイと知って見ると、確かにカーウァイっぽい色彩や。
カクテルとカセットテープが良い脇役を演じている。
ウードの亡き父がDJしていたラジオ番組をエアチェックしたカセットテープが物語を章に分ける役割を果たしている。
カセットのA面 B面がウードの物語 ボスの物語と連動。
サウンドトラックの1つ、Tiny Dancerが「あの頃、ペニーレインと」のイメージとダブル。
余命を宣告されたからといって、元カノの心に入り込んで良いのか。と元カノの立場に立って思ったり、元カノたちの反応はさまざまだったが謝りたかった思いを伝えることができて良かったと、ウードの立場に立って思ったり。
さまざまな素材を混ぜて想像を超える味にすることが醍醐味であるカクテルと、さまざまな人と交流することで生まれる人生模様が連動。
ニューヨークで暮らしていた頃、ボスの金持ちぶりを妬んでいたが故のウードの言動、それによる人間模様の歪み、そのことを悔い詫びる余命わずかなウード・・・。この展開からラストシーンまで、ボスの元カノを含めた3人の感情のぶつかり合いに好感が持てる。
ウードの父が乗っていたBMWのクラシックカーで旅をするのだけれど、フォルムがオシャレでかっこいい。
バンコクを抜けてから2人が立ち寄る居酒屋(オープンレストラン)の田舎さに私的な旅欲をそそられる。
ナタウット・プーンピリヤ監督へ
邦題あるある、何故このタイトル?!タイトルは原題の One For The Road の方がしっくりくるのに。
カーウァイ特集上映を控えているせいなのか、なんなのか・・・カーウァイの名前だけなんてね、監督の名前は掲載必須やと思います。
タイ恋しさに見たのだけれど、「バッド・ジーニアス」も見てみたくなりました。
次作はフライヤーに名前を載せてもらえるといいね。
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映画「ベルファスト」@シネリーブル神戸
http://mintjam.exblog.jp/32556899/
2022-04-14T21:48:00+09:00
2022-04-18T00:07:26+09:00
2022-04-15T21:51:53+09:00
mint_jam
movie
1969年、助け合いの精神がある穏やかな町、ベルファストで闘争が起きる。
プロテスタントがカトリックに武装攻撃を仕掛けたことで住民は分断され、町は緊迫した空気に包まれる。
この物語は、北アイルランドのベルファストに暮らす9歳の少年、バディの目線で北アイルランドの町、ベルファストを描いている。(1969年に9歳ってことは1960年生まれね)
素敵な町で起きた素敵じゃない諍いに翻弄される素敵な家族。
お金にルーズなところが玉に瑕だけど家族を愛するお父さんと、そんな夫をいなしながら、しっかりと家族を支えているお母さん、弟思いお兄ちゃん、そして近所に住むナイスなことこの上なしのおじいちゃんとおばあちゃん、そしておばちゃん。
バディは家族や親族に愛され、ベルファストっ子として成長の過程真っ只中。
それは例えば、おじいちゃんから悪知恵を授かりズルをして良い成績を取ったり、いとこに誘われて万引きをしたり、同じクラスに心を寄せる女子がいたり・・・。
印象的だったシーン。
・ベルファストっ子の代表のようなバディのお母さんの発言。
「近所の人みんなが子供たちを見守ってくれている、自分が子供の頃から誰もが知り合い。そんなベルファストが好き、ずっと住み続けたい。宗教の違いで対立するなんて間違っている。」
・9歳のバディの九九の授業で2桁の問題が出ていたこと。(12x12=144)そして成績に応じた席順運用されていること。
・おばあちゃんとバディが映画「チキチキバンバン」を見に行ったとき、おばあちゃんがチキチキバンバン♪って歌い出したことと、そんなおばあちゃんにダメ出ししたバディがめちゃくちゃキュートやったこと。
・バディの家族がベルファストを去ることを決めたときも大きな愛で包み込んだおばあちゃん。息子一家の去りゆくバスに向かって放つ「Don't look back」
・クラブのような場所でお父さんが歌ってお母さんが踊るシーン。
・家族でクリスマスを楽しむシーン。
ケネス・ブラナー監督の私小説とも言える物語。
舞台がアイルランドであること、ヴァン・モリソンが音楽を担当してることがきっかけで見たのだけれど、思いのほか良質な映画だった。
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