ルーマニア紀行・・・ジプシーバンド「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」の村に行く!!!!
2010年 08月 09日
ルーマニアに着いて初めての大雨。
スガハラさんにホテルまで迎えに来てもらって
「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」のメンバーたちが住む音楽の村、クレジャニ村に向かう。
クレジャニ村は首都ブカレストから南に車で1時間くらいのところにある。
どうしても行きたくてアレコレ調べた結果わかったことは
個人で行くととても危険だということ。
ロマ(ジプシー)音楽は冠婚葬祭のための音楽だから
ライブハウスもないし演奏を聴くことは不可能。
ってことやった。
そのクレジャニ村がもうすぐ目の前にある。
村に入ったとたん緊張と興奮と期待とが入り混じって無言になる。
ロマの村はどこも貧困。
道が急に地道になることでロマ民族が暮らす村だとわかるという悲しい現実。
それでも人口3000人ほどのうち1/3がミュージシャンというクレジャニ村は
ロマの村の中では飛び切り裕福に見えた。
そう、ここは石垣島の白保地区のような村なのだ!!
映画「ジプシー・キャラバン」に出てくるタラフの重要メンバー
故・ニコラエのおうちに行く。
悲しいことに”あの窓”が塞がれている!!
映画を撮り終えたあとタラフのバイオリン弾き、ニコラエが自宅で亡くなった。
「ジプシーキャラバン」にはベッドに横たわったニコラエに向かって
窓の外から夜中バイオリンを弾くカリウの姿が記録されている。
それは感動的な、そしてロマ音楽=冠婚葬祭の音楽とよくわかるシーンなのだ。
それなのにニコラエの部屋の窓は「冬、寒いから」という理由で遺族によって塞がれしまっていた。
(; ;)
おうちの中に入れてもらうと
ニコラエのベッドで彼の孫が寝そべっている。
リビングで息子さんがアコーディオンを弾いてくれた。
息子の奥さんがジョニーデップにもらった黒い帽子を見せてくれて
私に「買わないか?」と持ちかけてくる。
彼が使っていたバイオリンや貴重な写真も。
ニコラエの家にお邪魔出来た嬉しさと遺族のどんな物でもお金に変えたい欲の間を
心がたゆたゆと行き来する。
「これがジプシーの現実。」とスガハラさんが静かに言う。
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タラフの笛吹き、ファルカルのおうちに行く。
奥さんやお孫さんに囲まれてあま~~~いコーヒーを飲みながら歓談。
(あ、もちろん通訳はスガハラさん)
ご家族みんな明るくて話しやすくてファルカルを中心に一致団結した家族のように見えた。
ファルカルは「日本は好きだ。」と言った。
「日本はよかったよ、特に東京が!!」
おどけた調子で笛を吹くファルカル爺ちゃんにお孫ちゃんたちがまとわりつく。
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タラフのバイオリン弾きのカリウのおうちにも行く。
クレジャニで一番かも?な、きれいでりっぱな家!!
カリウと息子さんとお孫さんに離れで演奏してもらう。
なんて贅沢!!!!
パーカッション役のお孫ちゃんのノリが絶妙♪
彼は素晴らしいミュージシャンになるやろうなぁ。
感動・・・。