映画「ソウルガールズ」@シネリーブル神戸

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オーストラリアの先住民族(アボリジニ)初の女性ボーカルソウルグループ、サファイアズのお話。
原題は「The Sapphires」。

1968年のオーストラリア。
歌うことが大好きなアボリジニ居留区で暮らす3姉妹は、町の歌のコンテストで
手ひどい人種差別を受ける。
司会兼ピアノ弾きをしていたアイルランド人のデイブ(クリス・オダウド)に見初められ、
色白を理由に居留区を離れ白人として暮らす従姉妹とコーラス・グループ
「ザ・サファイアズ」を結成する。
折しもベトナム戦争。
米軍キャンプが募集する慰問パフォーマーとしての仕事を得、今まで歌っていた
カントリーではなく、ソウルを伝授し彼女たちをプロデュースするデイブ。
音楽に対する思いは熱く、紆余曲折ありつつかっこ良く成長して行くサファイアズが誇らしい。
モハメド・アリの「俺をニガーと呼ばない国で何故戦うのか?」発言や
キング牧師の暗殺シーンを織り交ぜつつのベトナム戦争とか人種差別といった
背景にもかかわらず、デイブのリリーフランキー風のひょうひょうとした風貌と
見かけによらず真摯な性格が魅力的。
個性溢れるサファイアズのメンバーの人情味ある描き方が泣き笑い劇場となり
兵士たちの人気を得て行くサファイアズの歌を純粋に楽めて良かった。

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「カントリーもソウルも喪失を歌っているけど、カントリーは、故郷に戻って嘆き、
悲しみ暮らす歌でソウルは失ったものを探し、取り戻そうと闘う歌だから、
魂を込めてその切なさを歌え。」
デイブ、ええこと言うなぁ。
デイブは白人やけど、苦境に耐えて来たアイルランド人やから
サファイアズの心に「ソウル」が伝わったんやろうなぁ。

1960〜70年代のオーストラリアではカントリーが人気やったとか
色白の子供は政府に拉致され白人として育てられた(売春させられた)とか
70年代まで続いた人種差別は、アメリカよりひどかっただなんて初めて知ったよ。
ソウルガールズ公式サイト
実際のサファイアズのメンバーが登場したニュース番組。→ Today Tonight : The Real Sapphires
by mint_jam | 2014-02-17 23:38 | movie | Trackback

フルーツフルな日々。旅人だったり、レコガールだったり、オリーブ少女だったり。 美味しい食べ物と麻薬性の高い音楽にうずもれて、気持ちが動くままに写真を撮っていると幸せです。 日常や日常じゃないどこか。座右の銘は一食入魂。photo&essay:宮本ミント


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