叔父ちゃんのこと
2014年 08月 22日
mintの両親が結婚した時はまだ中学生やった15歳しか違わない叔父ちゃん。
物心ついたときから一升瓶とタバコと塩のイメージ。
背が高くてジュリーみたいにカッコ良くて、けど、社会から外れてしまった人。
誰かを殺めるような犯罪者ではないけど、借金とか夜逃げとかそういうことはあったと思う。
震災前は三宮で屋台のタコヤキ屋をしていて、
ときどき様子伺いを兼ねて食べに行っていたけど
「また次にもらうわ。」と言って、一度たりともお金受け取らなかった。
のたれ死んだか、殺されて臓器を売られているか。
姪の憶測をよそに生きていたんやね。
ふらっといなくなっては、ケバくてド綺麗な女を連れて帰る。
かと思うと、独りでまったり塩をアテに剣菱を飲んでたね。
「年玉やるわ!」とキップよくポチ袋を投げ出し、
「こんな叔父ちゃんがいたら結婚に差し障るな。」と何気に気遣い
もうそれはまるでフーテンの寅さんそのものやった。
100歳で亡くなるまでずっと、息子を心配していたおばあちゃんが
お盆に帰ってきて、「勉、もうゆっくり一緒に寝よう。」って呼び寄せたんやね。
あの頃飲んでいたのは特級じゃない剣菱やった。
記憶違いでなければ。
想像通り西成で日雇い労働をしながら暮らしていてお盆のさなかに亡くなったんやけど
10日間も冷凍安置して身元を探してくれたらしい。
斎場でほっぺた触ったらキンキンに凍っていた。
西成区に感謝。