ハワイ紀行>>風に吹かれて
2015年 01月 28日
子供の頃のハワイは、10問正解したら行ける常夏の夢の国。
ところが80年代に入った頃には、ブランドものを買い漁る感ありな
地という印象に変わり、夢はすっかり萎えてしまった。
1987年1月、そんな想像、妄想の中にあったハワイに、初めての海外旅行で
行く事になって、誰にも訊かれてないのに
「まだ日本のこともよく知らないのに海外旅行になんて興味ないねん。
ブランドもん、買いに行くんとちゃうねん。」と言いふらしたい気持ちいっぱいやった。
ところが空港から出て乾いた風に吹かれたその一瞬でハワイに恋をした。
まばたきをするスピードで海外旅行のとりこになり、「ハワイなんて・・・。」と
言っていたことを猛反省したのだった。
マウイ島は、繁華街のラハイナでさえ、住んでいる人より観光客の方が多いかも
しれないと思うほど、のんびりとしていた。
さぁ〜っと雨が降ったかと思うと太陽が輝き、虹が出た。
アメリカだけど文化はアメリカじゃない。
日本だけど文化は日本じゃない沖縄に似ていると思った。
雨が降ると長袖を着ても寒くて”常夏”に騙されていたことに気付いた。
世界中の色んな文化に触れてみたくなった。
本を読んで想像したり、映像を見て知るだけじゃなく
自分が出掛けて行って、感じたいと思った。
これから先ずっと、ずっと風に吹かれて転がっていたいと思った。
その微熱は今も下がらないまま、連続休暇のたび、どこかに出掛けている。
あれからずっと・・・。
28年ぶりのマウイ島。
アメリカと思えない、友好的な入国審査を通過して表に出る。
目にするものからは何も思い出せないというのに、
風が皮膚の記憶を呼び戻す。