フィリピン紀行>>宿の近所で常連さんと乾杯

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「喉が乾いたし、ビールでも飲んで帰りたいな。」
夕暮れに差し掛かる頃宿の近くまで戻って来て、そう思ったものの
良さげなお店を見つけられずで、コンビニで何か買って帰って部屋で飲もうかと考えた。
路地を抜け道にして進んで行くと、食堂の前で20代と思しき数人の男女が何やら
楽しそうに集っている。
近づいてみるとお店の中にもお客さんがいてビールを飲んでいる様子。
吸い込まれるように店の中に入ったら、大きな冷蔵庫の結露したガラスの奥に1
リットルのビール瓶が見えた。
「小さなビールはないの?」
「ビールはこれしかないよ。」
「1リットルも飲めないしなぁ。」
「じゃ、私たちが飲んであげるやん。」

そうしてもらおう。
何ていいアイディアなんでしょう。
乾杯のあと、名前を教え合う。
覚えられないからメモメモ。
左から、ドレッサー、アクゥ、サマー、スゥーサン。
仕事帰りにスゥーサンの店で待ち合わせて飲んでいるらしい。
タガログ語なので何を話しているのかわからないけど
笑いが絶えないから職場のグチではなさそう。

と、そこに現れたのは、元気女子のドゥーリン。
「やぁ、遅くなってごめんねー。えっ、日本から来たの? どう、フィリピン?」
テーブルが一気に華やぐ。
ドゥーリンは私に気遣って英語で話し始めた。
フィリピンって日常的に英語を話す国やと思っていたので、その疑問を伝えると
「日常使うのはタガログ語。島がいっぱいあるから、いろんな言葉があるけど。
英語は理解できるし、私は仕事で使うけど自分たちの言葉じゃないからね。」と。
「才女なんだよ、ドゥーリンは。」とアクゥが教えてくれる。
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出会う人、出会う人、気さくで、親しみやすくて、友好的なのには驚くばかり。
フィリピンに暮らす人たちの心の根源は、どこにあるのだろう。
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「明日もここに来る?」
「明日は晴れたらボホールに行くから来れないかな。」
「明後日は?」
「明後日は日本に帰る。」
「そっか・・・。 気をつけて帰ってね。」
「サラマット パァラム。(ありがとう。バイバイ)。」
宿に無事辿り着けるよう居住まいを正す。
なんてことのない出会いがずっとあとになって沁みてくる。
その日まで、この夜のことは熟成させておこう。
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by mint_jam | 2017-04-17 23:31 | travel | Trackback

フルーツフルな日々。旅人だったり、レコガールだったり、オリーブ少女だったり。 美味しい食べ物と麻薬性の高い音楽にうずもれて、気持ちが動くままに写真を撮っていると幸せです。 日常や日常じゃないどこか。座右の銘は一食入魂。photo&essay:宮本ミント


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