映画「バンコクナイツ」@新開地アートビレッジセンター

c0108673_0562589.jpg


いくつか持ち帰った映画のちらしの中にあった「バンコクナイツ」。
地方から出て来て性を売る若い女の子たちが空虚な族ということで、映画タイトルの
漢字表記が空族(くうぞく)と勘違いしていたけれど、日本の映画制作集団
空族」(くぞく)が作った映画なのね。(^^;

”バンコク”に反応し、タイ東北部〜ラオスオールロケに反応し、
富田克也監督の「日本を考えるには外から見なきゃわかんないこともあるっていうか・・・。
アジアっていう視野に立たないと日本のことが語れないっていうか・・・。」という
言葉に3歩反応しつつも、”タニヤの歓楽街”で2歩下がり、けど、
豊田勇造さんがエンディングテーマ「満月」を演奏しているというので
予備知識なく見る。

ほぼ1年に1度訪れるバンコク。
ここ数年、洒落たレストランカフェやBarで、学歴と年収を兼ね備えた
社会人だけでなく、フツーのタイ人がフツーに飲食を楽しんでいる経済発展
めざましいバンコクを通して、東北出身者が多い東京に思いを馳せる。
けれど、夜のタニヤ通りには行ったことはなく、日本人男性の歓楽街で
過ごすことのない私には、ひな壇で男性客を待つ、
体型抜群のタニヤ嬢を見るのも、簡単にヤクを手に入れているのを見るのも
初めてで、驚きの連続。

日本語の看板がネオンに踊るタニヤ。
「いらっしゃいませー。ここにいるよー。」タニヤ嬢の片言の日本語と
「お金を払ってヤル間は、まだまだですよ。」と宣(のたま)う、
イケテない日本人男の言葉がタイの現実を突きつける。

テーマは“娼婦・楽園・植民地”。
大家族の大黒柱として、タイとラオスの国境の町、ノンカーイからバンコクに
出稼ぎに来た、店”人魚”のナンバー1のタニヤ嬢・ラックと、
アジアでフラフラ気のままに暮らす、元自衛官のオザワの恋愛機微を軸に
話は展開する。
タニヤ嬢と彼女たちをお金で買う日本人男性たち、その背景にあるのは、
ベトナム戦争時、アメリカがタイに米兵の慰安を求めた名残なのね。

元自衛官のオザワと、兵士志望のラックの異父弟の交叉など、大きく
スポットライトが当たらないシーンを思い返す。
素人っぽいセリフの言い回しや編集に興ざめしたり、3時間あるとは知らず、
途中で「まだ終わらへんの?」とダレたけど、タイだけではなく近郊の国にも
入り込んでいて、何度も涙が、じわぁ。
性観光地化されたバンコクの一角を描きながら、実はイサーン地方を、
タイ女性が本来持っていた貞操を、ゴールデントライアングルを、
タイとアメリカの関係を、アジアが負って来た戦争によるキズを描いているところと
エンドロールに流れるメイキングシーンが肝(ちむ)に来る。


劇中に流れるモーラムやルークトゥンの曲が絶品。
地上に出た途端、〜若者はバンコクまで出稼ぎに 娘たちは街に立ち愛を売る〜
西岡恭蔵さんの「コンケーンのおじいさん」がmpodをグルグル。

トラックバックURL : https://mintjam.exblog.jp/tb/26691348
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by mint_jam | 2017-05-22 21:25 | movie | Trackback