ルース・ヴァン・ビークのコラージュ作品を予備知識ゼロで。
VAGUE KOBEに身を置く心地よさ。
ヨーロッパの小さな街で偶然見つけた美術館のよう。
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VAGUE KOBEのHPより
ありふれたオブジェクトが、ルースの手によって独自の身体と生命を持ち、命を宿しているように見えるのが特徴的です。彼女は自ら収集したアーカイブに目を向け、折り曲げたり、切ったり、色を塗ったりするシンプルな手法で作品を生み出しています。この手法によって、ルースはアトリエと家庭的生活、繰り返しの仕事やルーティンの境界線に潜む曖昧さを探求し、また家庭に関する書籍やマニュアル本に夢中になった理由を追究し、やがて実母から受けた影響まで遡っています。
今回新しく刊行された『The Oldest Thing』の制作は、ルースの母が残した3冊のバインダーに触発されました。このバインダーには丁寧にコピーされたレシピと写真が貼り付けられていますが、ルースはそれらのレシピに従って料理することはありません。その代わりに、作り込んだインデックス、手書きの文字、変色したページに愛着が湧き、このバインダーは何気ない日常に彩りを添えるものだと思い、大切に保管しています。